「鷹がトンビを生む」という諺はよく知られていますが、実際に鷹とトンビを区別するのは意外と難しいものです。
空を飛ぶ鳥がトンビなのか鷹なのか、一目で判断するのはなかなか大変です。
そこで、鷹とトンビの違いや見分け方、それぞれの特徴について詳しくご紹介します。
鷹とトンビの主な違い
鷹とトンビはどちらもタカ目タカ科に属する鳥ですが、見分けるポイントはいくつかあります。
- トンビは体が大きく、尾が短く足が太い特徴があります。
- 鷹は比較的小さく、足と尾が長く、翼が丸みを帯びています。
トンビは漁港などに生息し、鷹は森林地帯を好む傾向があります。
また、トンビは魚や動物の死骸を食べるのに対し、鷹は生きた獲物を捕食することが多いです。
この食性の違いから、鷹は高貴なイメージを持たれがちですが、トンビは死骸を食べることで自然の清掃役を担っているのです。
鷹とトンビの見分け方
- トンビの鳴き声は「ピーヒョロロ」、鷹は「ピィ―ピィー」「キィーッ、キッキッキッ」と鳴きます。
- トンビの尾羽は凹形またはバチ型、鷹の尾羽は扇形です。
- トンビは全身が濃い褐色と白のまだら模様で、尾は赤褐色、翼の先端に白い模様があります。
- 鷹(特にオオタカ)は暗青灰色で、腹部は白く細かい横斑があります。
トンビの特徴・生態
トンビ(正式名称:トビ)は、大きさが60~65cm程度で、山から都市部まで幅広い地域に生息します。
視力が優れており、上空から獲物を見つけることが得意です。
トンビはスカベンジャーとしての役割を持ち、死骸を食べることが多いです。日本全国で見られますが、東京では絶滅危惧種に指定されています。
鷹の特徴・生態
鷹(特にオオタカ)は、タカ目タカ科ハイタカ属に属し、全長は50~60cm程度です。
オオタカの名前の由来は「蒼鷹(アオタカ)」からきていると言われています。
森林や丘陵地、都市の緑地に生息し、現在は準絶滅危惧種としてレッドリストに指定されています。
オオタカは優れた狩猟能力を持ち、小型の動物を主食としています。
まとめ
鷹とトンビの違いや見分け方についてご紹介しました。
市街地で見られる大きな鳥がトンビ、森林に住む小柄で優雅な鳥が鷹(特にオオタカ)です。
トンビは「ピーヒョロロ」と鳴き、円を描くように飛びます。
一方、鷹は直線的な飛び方をし、「ピィ―ピィー」「キィーッ、キッキッキッ」と鳴きます。
尾羽の形や体の模様も識別の手がかりになります。