みなさんは「リハビリメイク」という言葉を聞いたことはありますか?
リハビリメイクとは、日本医科大学附属病院
形成外科・再建外科・美容外科のかづきれいこ先生が
発案した、
皮膚疾患や傷などの外観に悩みを抱える
人に対してメイクを施すものです
事故によって出来た傷、あざ、口唇裂、火傷など
医学が発展した今日でもなかなか完治させることが
難しい疾患です。
このような疾患を持つ方々の中には、肌を出すことや
人前に出る行為が億劫に感じ自分に自信を持てなく
なってしまっている方もいます。
リハビリメイクはそのような方のために、見た目を
変化させるだけではなく、さらにはその人自身の
心を元気づける効果を与えます。
このリハビリメイクを発案したかづきれいこ先生
自身も外見に悩んでいた過去があったそうです。
かづき先生は幼少期に心臓中隔欠損症という
心臓に穴が空いてる病気
を患っていました。
この病気の影響により、顔が赤くなり
むくんでしまうという症状が出ていたそうです。
顔が赤くなり、むくんでしまうといった
症状によって人の目が気になり、
私人前に出るのが嫌になってしまったそうです。
私も「毛孔性角化症」という二の腕や
太ももふくらはぎなどにブツブツとした
できものが幼少期から現在もあります。
社会人となった現在では肌を隠せるような
服を自分で選択できますが、学生時代は
そうはいきませんでした。
スカートを履かなくてはいけないので
ふくらはぎの肌を隠すことができず、
学校に行くことが憂鬱でした。
私は顔に何らかの症状が出るものでは
ありませんが、肌のせいで人前に出ることが
億劫になってしまったという点はかづき先生や
顔などに症状が現れている方々と同じ気持ちです。
先ほどもお話ししたように、
外観が原因で積極的に行動が出来なかったり、
自信が持てない方を元気付けさせる効果が
あるのがリハビリメイクです。
リハビリメイクのメイク方法は傷跡やあざを
隠すこと以外一般的なメイク方法と
大きな差異はありません。
では、一般的なメイク方法と
リハビリメイクでは何が違うのか。
それは心のケアも同時に行うということです。
これについてはまた詳しくお話ししていきますね。
リハビリメイクを実際に利用した方について
このリハビリメイクを実際に利用し、結婚式を
挙げたNさんという方がいらっしゃいます。
Nさんは生まれつき頭からつま先にかけて
右半身が赤色のあざで覆われていました。
このあざは毛細血管腫と呼ばれるもので、
毛細血管が拡張してしまっている状態で
原因が不明なものであると言われています。
この毛細血管腫はレーザー治療や内服薬などで
治療する方法がありつつも、個人差があるため
必ずしも完治するものではありません。
毛細血管腫を患っているNさんも
レーザー治療を行ったそうですが、なかなか
完璧にあざを消すことが出来ませんでした。
そんなNさんに悲劇が訪れました。
それはNさんが中学生になった頃のことです。
クラスの男子生徒がNさんのあざをからかう
ようなあだ名をつけたのです。
この事件を知った担任の先生は
男子生徒に対し、厳しく叱りました。
この事件はNさんを深く傷つけましたが、
担任の先生が味方になってくれたおかげで
何とかやり過ごすことができました。
しかしこの事件の後、
Nさんをさらに苦しめる出来事が起きたのです。
水泳の授業が始まる前、Nさんの母親が
担任の先生に対し
「娘のあざを配慮していただきたい」
とお願いしました。
これを受けた担任の先生は、
クラスメイトがNさんのあざについて理解を
深められるように、Nさんにクラスメイトの前で
自身のあざについて発表をするよう頼みました。
Nさんはみんなの前で発表など
したくなかったため、ストレスにより
倒れてしまい救急車で搬送されました。
そこからNさんはメニエール病を発症してしまいました。
中学を卒業したNさんですが、
その後もあざに悩まされる毎日を過ごしていました。
肌の露出が増える夏服の季節に
登校を拒否する日も続きました。
そんなNさんに一筋の光が見えたのは
Nさんの母親の一言でした。
「今の医療では肌を治すことはできないけど、
リハビリメイクというものがあるそうだから挑戦してみない?」
生きることが苦しかったNさんが
リハビリメイクと出会えたことで人生が大きく変わりました。
リハビリメイクの施術はカバーマークや
資生堂、舞台化粧用の化粧品といった様々な種類が揃っています。
講師がメイクを施すだけではなく、
患者のメイク練習や老廃物を流す
血流マッサージなども施術内容に含まれます。
リハビリメイクが与える効果
リハビリメイクと、かづき先生に出会ったNさん。
施術を通してかづき先生からこのような
言葉を掛けられたそうです。
「高校生の間はみんな制服を着て、集団生活に
前にならえでしょ?
みんなと同じように生きていかなきゃならない。
でも大学生になったら自由になるよ。
服装も人付き合いも自分のペースでいけるから。」
この言葉でNさんは変わったのです。
これまでの学生生活では
“みんなと同じではない自分はおかしい”
と塞ぎ込んでいました。
しかし、
大学生になり多種多様な人々と出会ったことで、
“みんなと同じでなくても大丈夫なんだ”
と思えることができました。
そして、
”患部を隠したくなればリハビリメイクを利用すれば大丈夫”
という気持ちにもなれました。
まとめ
『周りと同じでない自分はおかしい』
そんなことはありません。
Nさんがかづき先生とリハビリメイクに出会い、
心が強くなったように何かのきっかけで
気持ちに変化をもたらすことができます。
もしあなたにもコンプレックスがあり
苦しい毎日を送っていたとしたら、
この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。